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2010.12.2更新

経済学部ゼミナール連合主催・ゼミナールコンテストが開催される

10月23日、11号館1122教室で、経済学部ゼミナール連合主催のゼミナールコンテストが開催されました。このコンテストは2009年度に最初に開催され、今回で2回目となります。今回のテーマは「日本経済再生について」を各ゼミの研究分野から考えることです。

開催にあたり、まず審査員・各ゼミの紹介が行なわれました。審査員は経済学部の教授陣から、米澤義衛学部長、白井邦彦教授、高嶋修一准教授、また、経済学部同窓会から、太田義男様(経済学部同窓会会長)、林実様(同会計委員)、飯村肇様(同監査委員)が参加してくださいました。

最初の報告は中村ゼミでした。中村ゼミは民主党や官僚制の下での政治過程を、経済学的なアプローチで解くという「公共選択論」が研究分野です。今回の報告では2009年の政権交代による民主党政権下の政策の変更や政策決定手法の改革が、日本にどのような効果を与えているかについて発表しました。

2番目の報告の小張ゼミは、今後さらに進むグローバリゼーションと人々の世界観理解が研究分野です。今回は羽田空港の国際化などのグローバル化の流れにより、海外からの観光客の増加が予想される中で、日本が観光大国となるにはどうしたらよいかについての発表がなされました。

平出ゼミは、主に、資本主義の成り立ちや資本主義が社会に与える影響を学ぶ「近代欧州経済史」が研究分野です。今回は社会保障制度の充実の観点から、スウェーデンの手厚い社会保障制度のモデルを参考にして、16世紀に立ち返りながら考察し、今後の日本経済の再生について発表しました。

堀場ゼミは計量経済学を使って様々な経済事象を、信頼性のある実際の数値を用いて分析する「地方財政」が研究分野です。今回は合計特殊出生率の低さが経済に与える影響から、出生率を上昇させるような要因を計量経済学的に分析し、日本が行なうべき対策について発表しました。

成田ゼミは、現実の経済データを使って金融理論の有効性を検証する「金融論」が研究分野です。日本の現在のデフレから抜け出すために日本銀行はどのような金融政策を行うべきかについて、海外の金融政策も参考にしながら発表しました。

高橋ゼミは、様々な産業や、人・モノの空間的移動を、立地・分布・地域の観点から分析する「経済地理学」が研究分野です。今回は、韓国プサン港の積み替えの割合増加から、世界有数であった神戸港の地位低下による国際競争力低下の懸念に対して行なうべき政策について発表しました。

各ゼミのプレゼンテーションの発表終了後に審査員からそれぞれについての評価がなされ、また、総てのプレゼンテーション終了後に、米澤学部長から経済学的なアプローチの手法についていくつかのアドバイスがなされ、さらに全体の総評が行われました。

最後に、高橋ゼミが昨年度に引き続き二度目の「総合優勝」となりました。そのほか、「独自性」では平出ゼミが、「論理性」では堀場ゼミが、そして「発表力」では中村ゼミが選ばれました。

参加した各ゼミは審査員の方々からのフィードバックシートを受け取り、今年度のコンテストは終了しました。

 

(文:Y.Shota 写真:Y.Mari)